15人が選び取った新しい人生の物語。「脅迫神経症」「夫の浮気」「落ちこぼれ」「パニック症候群」「自殺願望」……より良い人生を送りたい人に最良の本。
さまざまなクライエントに私が最近どのようにカウンセリングを実践しているかを読者に知っていただきたいと思って、この本を著した。場合によっては、読者に私の仕事場に来ていただき、そばに座ってみていただきたいくらいだ。私のカウンセリングは、ある一部分の大切なやり取りに焦点を合わせる。すなわち、クライエントに、よりよい選択をしてもらうために、私が介入するのであるが、その部分を見ていただきたいのだ。
(中略)
ほとんどすべてのクライエントがかかえている問題の根底には、今、満足な人間関係が欠如している事実がある。本書ではその問題にすばやく焦点を当てている。しばしば私は、このような不満足な関係を描写する表現として、「断絶」(ディスコネクテッド)という言葉を使う。私の主張はこうである。この断絶があるからこそ、カウンセリングを必要としている人だけでなく、私たちすべてが、いわゆる精神病、犯罪、依存症のような苦痛をもたらす、破壊的な行動を選択するのである。
「私たちは、自分の行動のほとんどすべてを選択している」という主張は、現在の精神医学の考え方からはかけ離れているであろう。しかし、この主張の根拠を、本書で、クライエントをカウンセリングする中で明らかにしたい。さらに、私は自分の考えの正当性を証明するために、どこかの精神科の教育病院(医学研究に従事している人々に研究の便宜を提供する病院)で、聴衆の前で実際のクライエントをカウンセリングしてもよいと思っている。以前それをしたこともある。もう一度やることに何ら躊躇はない。
本書では、読者は、私がカウンセリングをしているときに、私と一緒にいることになる。セラピストの立場からでも、クライエントの立場からでも、私のしていることの効果を判断してもらいたい。読者がセラピストであれば、同じクライエントをカウンセリングするなら、同じ程度の効果、あるいはもっと効果のある方法が他にあるだろうか、と考えていただきたい。読者が現在セラピーを受けているなら、私のすることと、あなたが現在受けている治療とを比較していただきたい。
本文【はじめに】より一部抜粋
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