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ACHIEVEMENT PUBLISHING

  • 僕は明るい障害者 「がん」がくれた贈り物の画像1

目次

  • はじめに
  • ネガティブ時代
  • 宣告! 直腸がん
  • 「妙に引っかかるものがある……」
  • 「がんです!」
  • 「身辺整理をしてきてください」
  • 母への事情説明
  • 手術を受けてもらえない?!
  • 「安心しなよ、人工肛門になんてならないから」
  • 健康補助食品セールスパーソンが山ほどやってくる
  • 兄への感謝
  • 手術までの日々と手術当日
  • 昏睡状態の中で見た光景
  • 昏睡状態の中で見た光景 『ゴルゴ13』が生まれた年に僕も生まれた
  • 昏睡状態の中で見た光景 漫画家を志して高円寺に住みつく
  • 昏睡状態の中で見た光景 新宿で「パチプロ」になる
  • 昏睡状態の中で見た光景 生まれてはじめての就職
  • 昏睡状態の中で見た光景 あの二人が大成功している!
  • 昏睡状態の中で見た光景 世紀末がやってくる
  • 幸福は逃げ水のよう
  • 心臓を槍でえぐらえるような悲しみ
  • 退院後の日々
  • ポジティブ時代
  • 障害者が夢を持ってできる仕事
  • 障害者でも夢を持って可能性を広げていける仕事
  • ネガティブからポジティブへの運命の出会い
  • ネガティブからポジティブへの運命の分岐点
  • ネガティブからポジティブへの運命の選択
  • まったく新しい自由を得ることのできるビジネス
  • 末期がんを治す方法
  • 依存しない生き方
  • 明るい障害者
  • 悩んだらチャレンジ!
  • ポルシェをつぶしちゃった!
  • 人生がピンク色に見える
  • リターヤード・ビジネスとしての可能性
  • 田原総一朗さんの『朝まで生テレビ!』に出たい!
  • 成功するまでやり続けるしかない
  • 日本に生まれて本当に良かった
  • おわりに

書籍詳細

二〇〇五年の暮に封切られた映画に「バタフライエフェクト」というものがある。
映画の筋は置くとして、テーマは「人生は選択だ」ということを言いたい究極の映画だった。
“バタフライエフェクト”とは、日本語で“蝶々の効果”と言う意味だ。
地球の裏側で蝶々が羽ばたいたその微かな振動や波動が、
こちら側では物事全てが関連付けられて繋がり、巨大な流れとなって影響するということを伝える映画でもあった。 よく「もう一度人生をやり直す」ということを言うが、それは本当のことだと思う。
「人生は何度でもやり直すことができる」
そして
「人生は選択だ」
僕は心からそう思うし、そのことを信じている。

僕は三二歳でがんを宣告され、骨盤内全摘出、肛門、直腸、前立腺、膀胱(ぼうこう)を完全に失い、
大腸の四十%も失くしてしまった。
今生きていけるのは、人工肛門、人工膀胱の助けがあってのことで、立派な(?)身体障害者である。
だが、ことわっておきたいのだが、僕はそれをいば威張って言えるほどの高度な障害者ではない、ということだ。
僕よりももっともっと大変な苦労を強いられている身体障害者の方々が多数いらっしゃることも知っている。 だが、そんな僕でも暗黒の闇の中に、人生を見失うほど落ち込んだ時もあるし、 死と隣り合わせのがん再発の恐怖に慄いて、数え切れないほどの眠れない夜を幾夜も過してきたこともあるのだ。 僕は、僕なりに病気でも人生のどん底を味わい、仕事でも幾度もどん底を味わってきた。 人からは、哀れみ、同情、憐憫、嘲笑、蔑みの声をどれほど聞いただろう。 だから、身体障害者の方々のつらさ、悲しさ、嘆きの声は、こんな僕にも充分すぎるほど分かっているし、理解しているつもりだ。

だが、死ということへのマイナスイメージからも脱却し、僕は今元気で、ピンピンと生きている。
それはただ単に、決して運が良かったからだけではないと思う。

◆まず僕は、考え方を変えた。ネガティブ思考をやめて、いつも明るくポジティブに生きようと心掛けてきた。
ネガティブになりかけると、ポジティブに前に向かうことだけを選択してきた。
そして、「信念の力」と言えば大げさかもしれないが、ともかく疑わずに信じることを守り通した。
「病気や身体の機能が、かならず治る、回復すると心から信じる」
「今後の人生が、かならず良くなると心から信じる」
「身体障害者であることに屈せずに生きて、かならず周りの人たちに夢と勇気を与え続けることができる人になれると心から信じる」
これらのことを無条件に信じ続けることだと思う。

◆ また、お金の稼ぎ方を必死に考え、考えただけでなく、確実に実行してきた。
おかげさまで、今僕が携わっているビジネスでは多くのお金を得ることができた。
だがそれは、身体障害者の方であってもできる仕事に限定し、
前向きに突き進んできたからこその結果であると言いたいのだ。
残念ながら病気には多大なお金がかかる。お金があれば助かる命も、
お金がないばかりに充分な治療も受けられず、不本意な人生を生きていかなければならない人たちがどれほどいるだろうか。
そして、日本はまだ、世界の多くの国々から見れば、賞賛と羨望で迎えられる豊かな国だ。
この国だからこそ与えてもらえるチャンスがあるし、もしそのチャンスを得ることができたならば、多くの経済的には弱い世界の国々に分け与えることも必要だと思う。

◆さらに、適切な栄養素を持つ健康補助食品(サプリメント)を常時携え、飲み続けてきた。
考え方も重要だが、足りない部分の身体の機能を健康補助食品で補う努力は、健常者の方々以上に重要だと思う。
僕が今も元気で過すことができているのも、「こんなに?」と思うほど飲み続けた健康補助食品に負うところが大きい。
それは僕の身体が一番良く知っている。
結果的に僕は、極めて悪い生活習慣からがんに罹り、
今は人工肛門、人工膀胱で生きていかなければならない身上になってしまったが、
健康なうちから、予防医学の観点で健康補助食品を適宜に補い、運動をし、
定期的に病院で身体をチェックしてもらうことはとても大切なことだと思う。
健康で生きていけるに越したことはないからだ。

僕が入院した時に、お見舞いに来てくださった方々から、いろいろなプレゼントをいただいた。
お花も多かったが、本を持ってきてくださる方が案外多かった。 
入院中や療養中は、検査や食事の時間意外は、取り立てて何もすることがない。
結局テレビを観るか、パソコンでインターネットに繋げるか、本を読むかくらいしかすることがない。
ある時見舞いに来てくださった人が、
「もう、読んだかもしれないけれど……」と言いながら一冊の本を僕に手渡してくれた。
入院の前年に出版されてベストセラーになった乙武洋匡さんの『五体不満足』だった。読んでいなかったので、ありがたく頂いた。
多分健康なままだったならば買わない本だっただろう。
僕はその本を読み、枕元に置いて、あかず眺めた。乙武さんが、電動車椅子に乗って、
横を向いて笑っているカバー写真にどれほど慰められたことだろう。
おこがましいが、僕のこの本も、がんで苦しんでいる方々、身体障害者になり、
それでも必死に生きようとしておられる方々に読んでもらいたいと思う。
そして、少しでもそれらの方々に、夢と勇気と生きる希望を与えることができたならば本望だ。

「バタフライエフェクト」
僕のこの本は、小さな小さな蝶々の羽ばたき、振動かもしれないが、
この本を手にし、読んでくれた方々の良い影響となってくれることを願っている。

何度でも言う。
「人生は何度でもやり直すことができる」
そう僕は心から信じている。

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